「天細女命」ラフ画
- Category:神世絵
- Date:2025年07月14日
瓊瓊杵命と共に天降り、猿田彦大神と出会い夫婦になった説もある「天細女命」。
記紀の岩戸隠れの段では、天照大御神を呼び出す策として激しい舞を披露し、神々を大いに喜ばせたことで天照大御神がその声に反応し、顔を覗かせたと言われています。
そんな天細女命ですが、一晩中ずっと頭をよぎっている感じがしてて、目が覚めた瞬間に「きっと天細女様が描いて良いと言っているに違いない」と勝手に思いました。
そこで、眠い目もろくに開かないままにデスクに飛びつき、ラフを仕上げました。
こういう脈絡のない強引さとか、唐突な思い込みの強さこそ、スピリチュアリストが異様な図太さを見せるところです。
100年戦争を終わらせたジャンヌ・ダルクも、何だかよくわからない強気であれよあれよと周りを巻き込んで革命を成し遂げてしまったので、ああいう突き抜けた人間こそ今の時代には必要なのかもしれません。
神様のイラストを描かせて頂く時は、神様のお気持ちがあるかないかで進行度が違います。
天細女様は、神社で参拝したことがないのでご神縁はないはずなんですが、なぜか「私を漫画に出しなさい」みたいな念を少し感じていました。
以前、猿田彦様にHARAEDOに出演して頂こうとデザインを起こした時に、天細女様も脳裏によぎって、いずれご夫妻として登場して頂くことになるのかなと思ったりもしました。
猿田彦大神は国津神として瓊瓊杵命一行を出迎えたわけで、妃となった天細女命は天津神ですし、ご結婚なされた後は嫁に頭が上がらない旦那様だったのではないかと想像します。
猿田彦様が日本の「元祖恐妻家」みたいな感じだとしたら、天細女様を外で呼ぶ時は「おい、うずめ」と声を掛けるかもしれませんが、家の中では「うっちゃん」とか呼んでたら萌えるなあとちょっと思いました。
日本神話をネタにして、ここまでオタクの妄想を拗らせる人間もなかなかいないかもしれません。
天細女命は、岩戸開きや猿田彦大神の出迎えの時も「記紀」での描写はとても卑猥な感じがするので、神様的にはどうお感じになられているのだろう?と常々思っていました。
そこで私が面白がって天細女様をカリカチュアライズしても、おそらくコンプラ的にハリウッド・ザコシショウの誇張しすぎたモノマネを凌駕する本家の癖みたいな感じで、「記紀」の突き抜けた描写を超えることはできないと思います。
ですので冷静に考えて、神様ですからきっとご立派なお姿でしょうし、真面目な印象で描かなければ失礼に当たると思い、「女将」のようなイメージでデザインさせて頂きました。
奇しくも、天細女命は芸能や芸術の神様として信仰されておられるので、漫才師の内海好江師匠のようなピリッとした厳しさのある大和撫子を想像しました。
このイメージだと、猿田彦様も余計にSiriに敷かれていそうだなと思ったりもしますが、そんな妄想をお許し下さる神様方には本当に感謝いたします。
後々になって、バチが当たらないことを願っています。
本編の制作が一向に進まないのに、登場神のペン入れ&登場待ちだけが増えていきます。
もうちょっと自由に動きたいところなのですが、なかなか…。